(重要) 火入れに伴う事故防止について(会長コメント)

皆様:

近畿中国四国農業研究センターの高橋です。

火入れの季節がピークを迎えておりますが、またも悲しく、残念なニュースがありました。
8日午後1時20分ごろ、大分・竹田市久住高原の野焼きで1人が全身やけどを負って亡くなられる事故が発生してしまいました。まだ原因やその後の対応については情報が入ってきておりませんが、不幸にも、再び人命に関わる事故が起きてしましまったことは事実です。

火入れは、草資源を管理する上で、また、集落のコミュニティを支える上で、また、草原の景観や生物を守る上で不可欠な、とても大切な、しかも効果的な作業です。しかし、作業を持続するためには、事故を起こさない仕組みや意識が大前提となります。

草原再生ネットワークでも過去、様々な機会で呼びかけてまいりましたが、火入れの鉄則は、「人命」が第一です。
もう一度、そのことを皆さんと再確認したいと思います。あえて具体的な事項を並べさせていただきますが、補足があればぜひお願いします。このコメントで行いたいことは、意識を共有して、火入れに伴うリスクを回避することです。

具体的には、それぞれの実施団体において

1.リスクが高い場合には、勇気をもって火入れを止めるシステム
2.当日の作業に関わる全員への、「安全が第一である」という意識統一
3.指揮系統の明確化
4.参加者全員の動きを指揮者が把握し、安全を確保する仕組み

など、遵守すべき項目が整っているかを確認し、火入れを実行する必要があると考えます。

阿蘇においても、研修、教育、リーダー育成、統率に従う意識を大切に、きちんとした仕組みづくりと緊張感を共有しながら野焼き支援ボランティア活動が継続 されてきました。しかしそのような中でも一昨年、悲しい事故が発生してしまいました。そこで阿蘇では、もう一度、原点に立ち戻り、ヒヤリ・ハット集の作成 や、燃えない素材の作業着を参加者に斡旋するなど、さらなる安全に向けて取り組んでいます。

そして同様に、全国草原再生ネットワークにおいても、全国版野焼き草刈りヒヤリ・ハット集の作成を進めています。このような取り組みの矢先での事故となってしまい、非常に心苦しい限りです。

これから5月ごろまで、各地での火入れ活動は続いていきます。今年は大雪を始めとする悪天候のために、火入れの延期が続く地域も多いと聞いています。度重 なる延期に焦る気持ちもあるかと思いますが、その中で、安全を積み重ねていくことが、社会的に信頼を得る大きな源泉になります。

くどいようですが、何よりも優先すべきは人命だということをぜひ忘れずに、もう一度、重要な心得を再認識して、野焼きの作業やイベントへの誘導、参加をお願いいたします。

全国草原再生ネットワーク 会長 高橋 佳孝

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