草原用語

ヨシやオギといった植物が生育する草地。

屋根葺き職人を支える係。茅の受け渡し、古茅の整理などの雑用をこなす。茅運びに「地面を行ったり来たり走る」ので地走りという。かつて結が地域に残っていた時代は、葺き替える家の家人、その親戚、または地域の住人などがその役を担ったが、近年では家主や職人が雇用することが多い。

一年を通して家畜を放牧すること。

サイロ（農作物、穀物、飼料などを格納する倉庫のこと）で発酵させた飼料のこと。

秋季～冬季に放牧を終えること。

茅葺きの傷んだ箇所に新しい茅を差し込んで補修すること。また、補修のために差し込む茅のこと。

公役に労働力を出すこと。

主に作業着などの布地をすり切れにくくするために施した刺繍のこと。装飾的な幾何学模様をあらわすこともある。江戸時代の火消しが着た半纏は、布地に等間隔の刺し子がされ、染め抜きで文様が描かれている。これに水を含ませて着用することで現代でいう難燃性作業服の役目をしていた。

代掻きや運搬などの労働に従事する牛馬。

ある地域を覆っている植物の組み合わせの種類。

植生の面的な分布状況を示した図のこと。日本においては、環境省により1/50,000～1/25,000スケールで、全国植生図の作成が行われている。　http://www.vegetation.biodic.go.jp/

鹿が植物の葉や花、芽などを食べることによって起こる被害。近年、森林では林床の植物に被害が頻発しているが、草原においても花や花芽が食べられる被害が各地で顕在化してきている。

植生が遷移していくこと。日本においては、草原を維持するために、植生の遷移を停滞もしくは後退させることが必要である。

田畑に敷く草のこと。

家畜の足元に敷く草のこと。

土砂移動や強風などの自然の営力によって起こる攪乱。

広義には、失われた自然環境を再生する取り組み、事業の総称。狭義には、自然再生推進法に基づき、多様な主体により構成された「自然再生協議会」上での合意により実施される「自然再生事業」のこと。草原にかかわる自然再生事業も各地で実施されており、阿蘇（熊本県）、樫原湿原（佐賀県）、八幡湿原（広島県）、霧ヶ峰、美ヶ原（長野県）、琵琶湖、伊吹山（滋賀県）などで取り組まれており、保全管理のメニューとして火入れの再開や新規採用が取り入れられている事例も多い。