草原用語

あか牛:あかうし Japanese Brown Cattle

褐色和種。肉用の品種の一つで、褐色の毛が特徴である。主な産地として、熊本、高知が知られている。おとなしい性格で、飼育しやすいである。 【関連語】和

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秋の七草:あきのななくさ seven flowers of autumn, festival of seven flowers

万葉集におさめられた山上憶良の歌で選定された、秋を代表する草花のこと。「秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花」「萩の花 尾花葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝貌(あさがお)の花」。つまりハギ、ススキ、クズ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウのこと。すべてが草原性の植物であるが、その多くが各地域の絶滅危惧種となっている。 【関連語】ハギ、ススキ、クズ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウ

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遺存種:いぞんしゅ relict

かつて広く分布した生物種が、地理条件や気候条件の変化に伴って、限られた生育・生息地のみに見られるようになってしまった種。大陸系遺存種氷河遺存種など。 【関連語】大陸系遺存種氷河遺存種

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入会権:いりあいけん rights of common

地域の共同体の住民が、一定のルールに基づいて地域の山林原野を共有資産として利用する慣行のこと。葺き材や飼料・肥料としての草資源採取、放牧権、山菜やキノコ採取などがされる。民法に示された慣行的な物権(物を支配する権利)のひとつ。

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入会論争:いりあいろんそう 

ここでいう論争とは学術的な意味ではなく、言い争い、対立のこと。江戸時代から明治期にかけては、草地の重要性は現代よりはるかに高く、多くが入会地として管理されていた。そのため、その所有権や境界に関して、集落間や集落内、または統治者と集落の間で対立が耐えず、裁判が行われた例も各地で見つかっている。

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牛道:うしみち cattle trail, cattle track

急斜面の牧野において、が等高線状に繰り返し歩くことによってできた縞状の道のこと。

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エコツーリズム:えこつーりずむ ecotourism

ツーリズムとは広義には旅行のことであるが、特に「体験型の観光」のことを指す言葉と認識されつつある。エコツーリズムとは、ツーリズムのうち、地域の自然環境や文化などに触れ、当地の人々と交流し、体験し、考えるきっかけを作る旅行のあり方を指す言葉。ただし言葉の定義については、エコツーリズムの普及を図る各種団体によってやや異なり、特に決まった規格はない。 【関連語】グリーンツーリズム

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越冬飼料:えっとうしりょう 

冬季、放牧ができない間に家畜に与える飼料のこと。

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延焼:えんしょう 

火元を超えて周辺に火が燃え広がること。火入れにおいては、火のついた枯れ草等が気流に乗って防火帯を超えて着地し、周辺の草原や林地などに火が広がっていくこと。 【類義語】飛び火 【関連語】防火帯

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御狩場:おかりば 

中世において、領主が鷹狩を楽しむために維持管理された草地

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男結び:おとこむすび 

縄のび方の一種。日本の葺きの屋根を葺く際に、最も使用頻度が高い、重要なび方である。捻じる動作によって締め上げることに特徴があり、緩みにくく、ほどけないび方であるが、緩みなく締めるには習熟が必要である。全国的に用いられ、地域によって様々な呼び方がある。 【類義語】いぼ

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海岸草原:かいがんそうげん 

強風や潮風、乾燥、砂の移動といった強い撹乱環境のため、海沿いに成立する草原

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改良草地:かいりょうそうち improved pasture

耕起、土壌改良、施肥、牧草の播種などを行い、生産力を高めた草地。外来のイネ科牧草はススキなどの在来草本に比べ生産力が高く、家畜の飼料としても高栄養価である、冬季も生産が可能な種類もある。一方で、生産力の維持のために、継続的な施肥や草刈りなどが必要である。また、牧草以外の植物はほとんど無く、生物は非常に単調である。 【類義語】人工草地 【対義語】自然草原 【関連語】牧草

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拡大造林:かくだいぞうりん 

昭和30~40年ごろに全国で展開された、スギ・ヒノキ等による造林を推進する国策。もともと森林であるところに用材林を植栽するためには、いったんそこに生育する樹木を伐採する必要があるが、草原にはそのまま植林が可能であることから、拡大造林により草原の植林地化が一斉に進んだ。草原が植林地化されやすかった理由として、丁度同時期に進められた入会権の解体も影響しているものと思われる。

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攪乱:かくらん disturbance

生態学においては、様々な圧力により、場の環境が荒らされることをいい、このことにより遷移の段階が停滞あるいは後退することがある。日本においてはほとんどの場所で、草原はおのずと森林へと遷移が進行していくため、草原が維持されるには何らかの撹乱要因が必要となる。多くの場合、火入れや草刈りなどの人為的撹乱により維持されている。 【対義語】遷移

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茅:かや thatch plants

古来より屋根材、飼料、肥料などに使われて来たイネ科やカヤツリグサ科に属する草本の総称。ススキ、カリヤス、ヨシの他に、オギ、チガヤ、スゲなど。各地で伝統的な呼び名として、ヤマガヤ、コガヤ、シマガヤなどと呼ばれるが、呼び方は地域によって様々で、種名と一致しない場合も多い。
英語圏では、に変わる直接的な英訳はなく、材料に応じてstraw(藁)、water reed(ヨシ)、Sedge(スゲ)などに区別して認識されているようである。 【関連語】ススキ,カリヤス,葺き

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茅垣:かやがき 

でできた垣根のこと。

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茅野:かやの 

を生産する目的で管理された草原のこと。 【類義語】場 【関連語】

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茅場:かやば 

を生産する目的で管理された草原のこと。東京駅近くの茅場町は、かつて茅が生い茂る土地であったとされている。 【類義語】茅野 【関連語】茅

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茅葺き、萱葺き:かやぶき Thatching

を主な材料として葺かれた屋根。広義に草葺きのこと。 【関連語】

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刈敷:かりしき 

畦や入会地の草原などで刈り取った青草を、馬や人力で田畑に踏み込み肥料とするもの。 【関連語】緑肥草肥

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カルスト地形:かるすと karst

石灰岩地質の土地において、その水に溶解しやすい特性からできた、特徴的な地形のこと。代表的な地形として、窪地(ドリーネ)や鍾乳洞などがある。日本三大カルストは、秋吉台(山口県)、平尾台(福岡県)、四国カルスト(愛媛県、高知県)で、現在は、そのいずれもが草原として利用されている。 【関連語】ドリーネ

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ガンギ棒:がんぎぼう 

葺きのを揃えるための道具。ツチの一種。

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環境収容力:かんきょうしゅうようりょく Carrying capacity

ある場所に継続して生育・生息できる生物の量のこと。草地学においては、特に、放牧地における生物量、すなわち放牧地の生産量を握することで、放牧地においてどの程度の家畜を飼育できるかが研究されてきた。 【関連語】牧養力

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乾生草原:かんせいそうげん 

ススキやカリヤス、チガヤといった植物が生育する草原。日本において、乾生草原とは湿生草原の対義語として、やや乾いた環境を好む植物が生育する草原のことを指すが、世界的にみてその条件は適湿であり、乾いた環境ではない。 【対義語】湿生草原 【関連語】海岸草原

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灌木:かんぼく 

低木に同じ。一般的に、人の背丈より低い木を指す。

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官牧:かんぼく 

中世時代に、軍馬の飼育のために管理されていた官制の草原。天皇の勅命により開発された牧は、勅旨牧と呼ばれる。 【関連語】勅旨牧

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希少種:きしょうしゅ Rare Species

希少種の意味については、下記を参照。)
日本では、近世から現在にかけて、草原の開発や維持管理の放棄が一斉に進行し、このわずか半世紀程度の非常に短い期間の中で、草原の面積が著しく減少した。その果、草原に生育・生息する草原性動植物種も、その個体数が急激に減少しており、多くが希少種となっている。

環境省HP「環境影響評価情報支援ネットワーク 環境アセスメント用語集」(http://www.env.go.jp/policy/assess/6term/index.html)によれば、存続基盤が脆弱な種または亜種で、1)生活環境が変化すれば、容易に絶滅危惧種、危急種に移行するような要素をもつもの。2)生息状況の推移から見て、種の存続への圧迫が強まっているもの。3)分布域の一部で個体数の減少や、生息環境の悪化などの傾向が強いもの、あるいは今後さらに進行するおそれのあるものなど。 【類義語】貴重種

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キトラ:きとら 

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忌避植物:きひしょくぶつ 

毒や棘などを持つことなどから、馬などの哺乳類があまり食べない植物のこと。牧場や哺乳類の密度が多い地域では、これらの植物が増える。 【対義語】有毒植物有刺植物 【関連語】不嗜好植物

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休眠打破:きゅうみんだは 

生物の休眠状態が解かれること。草原の保全においては、種子がどのような状況下で休眠するのか、逆に種子の休眠状態を打破するための条件が何かを知ることが重要である。例えば、埋土種子の研究を進めることで、個体数が減少した植物群落再生の可能性を探ることができる。 【関連語】休眠

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極相:きょくそう climax

生態学で、遷移の最終的な段階のこと。生態系の構成が、その場所の地盤条件や気候条件にあわせ平衡状態となっている状態。

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金肥:きんぴ 

お金を出して購入する肥料のこと。 【類義語】購入肥料 【対義語】緑肥、自給肥料

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草玩具:くさがんぐ 

草で作った玩具のこと。冠やバッタ、フクロウなどを模したものや、草笛などがある。

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草小積み:くさこづみ 

刈り取った草を、保管を目的として小高く積み上げたもの。主に阿蘇地方の方言。

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草スキー:くさすきー Grass Ski

雪上ではなく、芝地の斜面を滑降するスキーのこと。草スキーではグラススキーと呼ばれる専用の道具を用いて滑降する。グラススキーにはエレメントと呼ばれる無限軌道が回転し、草の上でも滑ることが可能となっている。

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草泊まり:くさどまり 

ススキなどの草で作った簡易の野営小屋。昔、集落から離れた採草地で何日にも渡って草刈りをする時、集落との往復の手間を省くために使われた。 【関連語】草小積み

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草肥:くさひ 

植物をそのまま田畑にすき混んで肥料とするもの。 【類義語】緑肥 【関連語】刈敷

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草もみじ:くさもみじ 

草が紅葉すること。また色づいた草原の景観。

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草山:くさやま 

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口開け:くちあけ 

採草や山菜採りなどの草地の利用が可能となる日時のこと。草地資源はかつての暮らしにおいて非常に重要であったことから、過度な利用によって草地を荒廃させることがしばしばあった。そこで、共同の土地である草地の利用の制限が、集落単位で厳格に定められていた。現在においても、北信越~東北地方で見られるわらび園では、山菜採りが行える日時を、例えば「口開けの日から、週3日間かつ午前中のみ」などと指定している。

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グリーンツーリズム:ぐりーんつーりずむ green tourism

ツーリズムの項で述べたように、ツーリズムとは特に「体験型の観光」のことを指す言葉と認識されつつあるが、各種団体によってその定義はあいまいなところがあり、決まった規格はない。グリーンツーリズムとは、ツーリムの一つで、特に、農村・農業体験を核とし、滞在型・体験型の旅行のあり方のことをいう。 【類義語】アグリツーリズム 【関連語】エコツーリズム

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黒毛和牛:くろげわぎゅう Japanese Black cattle

肉用の品種の一つで、黒毛が特徴である。

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黒ボク土:くろぼくど Andosol

日本で広く見られる土壌の一つで、黒く、ぼくぼくした感触が特徴の土壌。火山灰を母材とし、草原植生の影響を強く受ける土壌で、過去の植生の復元資料としても価値のある土壌である。英語の「Ando」は、暗土(あんど)に由来する。

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原生花園:げんせいかえん 

主に北海道の沿岸部に見られる草原。かつて北海道では沿岸部の野草地や伐採跡地で放牧を行っていたが、家畜が好むイネ科草本などが選択的に採食された果、家畜があまり好まない植物が高い密度で残り、花畑のような独特の景観を形成するようになった。この景観のことを原生花園と呼び、地元では観光などに活用している。「原生」という名がつくが、上記のような形成過程をもつため、ほとんどの場合、原始的な自然環境ではないといえる。また、撹乱の減少に伴って植物種数が減少している原生花園もある。小清水町にある小清水原生花園では、火入れを行うことで、草原の再生が試みられている。

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原野:げんや 

耕作の方法によらないで雑草、灌木類の生育する土地。日本では、土地利用の地目の一つとして用いることが多い。

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公益機能:こうえききのう 

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恒久防火帯:こうきゅうぼうかたい 

防火帯をコンクリートなどで舗装し、作業道や周遊路にすると同時に、恒久的に可燃物となる植物が生えてこないようにしたもの。 【関連語】輪地,防火帯,火道

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高層湿原:こうそうしつげん 

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ごうだて金:ごうだてきん 

労働力となる若い男子が出稼ぎ等のため居ない家など、やむを得ず義務づけられた公役を果たせない場合に、その対価として支払うお金のこと。

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