草原用語

草原関連の用語を収集・整理し、検索できるようにしています。

拡大造林 :かくだいぞうりん

昭和30~40年ごろに全国で展開された、スギ・ヒノキ等による造林を推進する国策。もともと森林であるところに用材林を植栽するためには、いったんそこに生育する樹木を伐採する必要があるが、草原にはそのまま植林が可能であることから、拡大造林により草原の植林地化が一斉に進んだ。草原が植林地化されやすかった理由として、丁度同時期に進められた入会権の解体も影響しているものと思われる。

改良草地 :かいりょうそうち

耕起、土壌改良、施肥、牧草の播種などを行い、生産力を高めた草地。外来のイネ科牧草はススキなどの在来草本に比べ生産力が高く、家畜の飼料としても高栄養価である、冬季も生産が可能な種類もある。一方で、生産力の維持のために、継続的な施肥や草刈りなどが必要である。また、牧草以外の植物はほとんど無く、生物は非常に単調である。

海岸草原 :かいがんそうげん

強風や潮風、乾燥、砂の移動といった強い撹乱環境のため、海沿いに成立する草原。

男結び :おとこむすび

縄の結び方の一種。日本の茅葺きの屋根を葺く際に、最も使用頻度が高い、重要な結び方である。捻じる動作によって締め上げることに特徴があり、緩みにくく、ほどけない結び方であるが、緩みなく締めるには習熟が必要である。全国的に用いられ、地域によって様々な呼び方がある。

御狩場 :おかりば

中世において、領主が鷹狩を楽しむために維持管理された草地。

延焼 :えんしょう

火元を超えて周辺に火が燃え広がること。火入れにおいては、火のついた枯れ草等が気流に乗って防火帯を超えて着地し、周辺の草原や林地などに火が広がっていくこと。

越冬飼料 :えっとうしりょう

冬季、放牧ができない間に家畜に与える飼料のこと。

エコツーリズム :えこつーりずむ

ツーリズムとは広義には旅行のことであるが、特に「体験型の観光」のことを指す言葉と認識されつつある。エコツーリズムとは、ツーリズムのうち、地域の自然環境や文化などに触れ、当地の人々と交流し、体験し、考えるきっかけを作る旅行のあり方を指す言葉。ただし言葉の定義については、エコツーリズムの普及を図る各種団体によってやや異なり、特に決まった規格はない。

 :うま

ウマ目ウマ科の動物。大型の草食獣。家畜。

牛道 :うしみち

急斜面の牧野において、牛が等高線状に繰り返し歩くことによってできた縞状の道のこと。馬が生息する都井岬では、同様の道を馬道という。

 :うし

偶蹄目反芻亜目ウシ科ウシ亜科ウシ属の動物。大型の草食獣。家畜。

入会論争 :いりあいろんそう

ここでいう論争とは学術的な意味ではなく、言い争い、対立のこと。江戸時代から明治期にかけては、草地の重要性は現代よりはるかに高く、多くが入会地として管理されていた。そのため、その所有権や境界に関して、集落間や集落内、または統治者と集落の間で対立が絶えず、裁判が行われた例も各地で見つかっている。

入会権 :いりあいけん

地域の共同体の住民が、一定のルールに基づいて地域の山林原野を共有資産として利用する慣行のこと。茅葺き材や飼料・肥料としての草資源採取、放牧権、山菜やキノコ採取などがされる。民法に示された慣行的な物権(物を支配する権利)のひとつ。

遺存種 :いぞんしゅ

かつて広く分布した生物種が、地理条件や気候条件の変化に伴って、限られた生育・生息地のみに見られるようになってしまった種。大陸系遺存種、氷河遺存種など。例えば、ヒメユリ、オグラセンノウなどといった植物種が挙げられ、日本では希少な植物となっているが、朝鮮半島や中国大陸においても共通して見られる種であることから、今よりも冷涼で、日本が大陸と陸続きであった時代に、分布を南方へ広げた種であると考えられていrう。

秋の七草 :あきのななくさ

万葉集におさめられた山上憶良の歌で選定された、秋を代表する草花のこと。「秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花」「萩の花 尾花葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝貌(あさがお)の花」。つまりハギ、ススキ、クズ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウのこと。すべてが草原性の植物であるが、その多くが各地域の絶滅危惧種となっている。

あか牛 :あかうし

褐色和種。肉用牛の品種の一つで、褐色の毛が特徴である。主な産地として、熊本、高知が知られている。おとなしい性格で、飼育しやすい牛である。