草原用語

草原関連の用語を収集・整理し、検索できるようにしています。

総事 :そうごと

集落で行われている協働作業のこと。

刺し子 :さしこ

主に作業着などの布地をすり切れにくくするために施した刺繍のこと。装飾的な幾何学模様をあらわすこともある。江戸時代の火消しが着た半纏は、布地に等間隔の刺し子がされ、染め抜きで文様が描かれている。これに水を含ませて着用することで現代でいう難燃性作業服の役目をしていた。

地走り :じばしり

屋根葺き職人を支える係。茅の受け渡し、古茅の整理などの雑用をこなす。茅運びに「地面を行ったり来たり走る」ので地走りという。かつて結が地域に残っていた時代は、葺き替える家の家人、その親戚、または地域の住人などがその役を担ったが、近年では家主や職人が雇用することが多い。

ごうだて金 :ごうだてきん

労働力となる若い男子が出稼ぎ等のため居ない家など、やむを得ず義務づけられた公役を果たせない場合に、その対価として支払うお金のこと。

コモンズ :こもんず

共有で利用する土地、または制度のこと。日本における入会に近いとされるが、日本における入会権は、特定の集落や組合などに権利が属しており、遊牧民族などが利用する土地など所有権の無い土地を意味するコモンズとは、ややニュアンスが異なるともされる。法則として、経済学用語である「コモンズの悲劇」が有名。

採草権 :さいそうけん

採草する権利のこと。草資源はかつての暮らしの中で非常に重要であったことから、採草する権利を巡っては多くの争いがあった。

草葺 :くさぶき

草で葺かれた屋根のこと。

草もみじ :くさもみじ

草が紅葉すること。また色づいた草原の景観。

草山 :くさやま

草原が成立している山、または草本資源が利用されている山や丘陵地のこと。

公役 :くえき

公役に労働力を出すこと。

草玩具 :くさがんぐ

草で作った玩具のこと。冠やバッタ、フクロウなどを模したものや、草笛などがある。

草スキー :くさすきー

雪上ではなく、芝地の斜面を滑降するスキーのこと。草スキーではグラススキーと呼ばれる専用の道具を用いて滑降する。グラススキーにはエレメントと呼ばれる無限軌道が回転し、草の上でも滑ることが可能となっている。

茅壁 :かやかべ

茅でできた壁のこと。

茅刈り :かやかり

茅を刈り取り、束にまとめる作業のこと。主として農繁期が終わり、茅が枯れあがる11月~3月ごろに行われる。資材としての収穫であるため、除草を目的とした単純な草刈とは刈り方が異なる。近年では、専用の機械を用いた茅刈りも行われている。

茅場 :かやば

茅を生産する目的で管理された草原のこと。東京駅近くの茅場町は、かつて茅が生い茂る土地であったとされている。

茅葺き :かやぶき

茅を主な材料として葺かれた屋根。広義に草葺きのこと。萱葺きとも。

官牧 :かんぼく

中世時代に、軍馬の飼育のために管理されていた官制の草原。天皇の勅命により開発された牧は、勅旨牧と呼ばれる。

男結び :おとこむすび

縄の結び方の一種。日本の茅葺きの屋根を葺く際に、最も使用頻度が高い、重要な結び方である。捻じる動作によって締め上げることに特徴があり、緩みにくく、ほどけない結び方であるが、緩みなく締めるには習熟が必要である。全国的に用いられ、地域によって様々な呼び方がある。

 :かや

古来より屋根材、飼料、肥料などに使われて来たイネ科やカヤツリグサ科に属する草本の総称。ススキ、カリヤス、ヨシの他に、オギ、チガヤ、スゲなど。各地で伝統的な呼び名として、ヤマガヤ、コガヤ、シマガヤなどと呼ばれるが、呼び方は地域によって様々で、種名と一致しない場合も多い。
英語圏では、茅に変わる直接的な英訳はなく、材料に応じてstraw(藁)、water reed(ヨシ)、Sedge(スゲ)などに区別して認識されているようである。

茅垣 :かやがき

茅でできた垣根のこと。