2月1日に行われた「阿蘇草原再生フォーラム2013」の新聞記事を紹介します.
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熊本日日新聞 2013年02月02日
保水力,森より草原が優れる 環境省が調査報告 熊本市
阿蘇の草原の地下水保全機能を調べていた環境省九州地方環境事務所は,雨水を地下に蓄える保水力は「草原が森林より優れる」とする調査概要をまとめた.1日,熊本市中央区のホテル日航熊本であった集会「阿蘇の草原を未来へつなぐ集い」で報告した.
同事務所は本年度,草原の森林化が水の循環に与える影響を調査した.報告によると,通常の雨量を想定した場合,阿蘇の草原は森林と同等の水を地下に浸透させることが判明.一方で,雨が蒸発する量は森林が多く,草原の1・21〜1・78倍に上ることから,総合的に見た保水力は草原が森林を上回るという.中島慶次国立公園・保全整備課長は「阿蘇のカルデラ内に巨大な地下水プールが存在すると示唆される調査結果となった」と説明.調査を指導した大槻恭一九州大大学院教授は,「草原についての調査データはまだまだ少ない.長期的で総合的な取り組みが必要」と指摘した.集会は,草原再生への理解と協力を呼び掛けようと,同事務所などが企画.約280人が参加した.阿蘇草原再生千年委員会の米澤和彦委員長と阿蘇草原再生協議会の高橋佳孝会長は,それぞれの活動を報告.阿蘇市立坂梨小の5年生16人は,草原について学んだ成果を発表した.(小林義人)