Q.火入れした草原にはいない…?カヤネズミ
A.火入れをした草原にも、カヤネズミはいます。
熊本県と大分県にまたがる阿蘇・久住高原や、大阪府高槻市の鵜殿のヨシ原のように、火入れによって健全に保たれた草原は、カヤネズミの良い生息地になっています。
Q.草原から得られる茅などの「資源」を事業として利用していくには、産業としても大きい建設業界との協働が友好のように思うのですが、何か今までアプローチをされたことなどはないか?
A.主な活動場所が河川敷ということもあり、保全活動は行政との協働が主体で、建設業界への直接的なアプローチは、これまで特にしてきませんでした。ですが、今後活動を続ける中で、建設業界を含めて、企業との協働も進めていきたいと考えています。
Q.河川敷工事の際100m単位で刈れば何かカヤネズミが逃げられることを確認したということでしたが、具体的にはどのような方法、手段で確認されたのですか?
A.カヤネズミが生息している堤防法面の草地で、刈り取りの方法を実験的に変えて、その後の営巣状況を追跡調査して確かめました。具体的には、例年全面刈りを行っていた堤防(長さ約500m×幅約20m)の法面を3区画に分けて、時期をずらして草を刈りました。すると、カヤネズミは、堤防上に刈り残された区画で集中して営巣し、刈り取られた区画の草が伸びてくると、今度はそちらで集中して営巣しました。巣の数は、全面刈りを行った場合と比べて、約7倍に増えました。
Q.カヤネズミが継続的に生息するために必要な広さはどのくらいですか?
A.正確な数字を上げるのは難しいですが、各地で継続的にカヤネズミの生息が確認されている場所の環境から推測すると、イネ科高茎草地を含む、1haほどの広さの草地があれば、可能と思われます。