謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
日頃より、草原再生ネットワークの活動にご理解とご協力をいただき、誠にありがとうございます。 本年も引き続きご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
昨年を振り返りますと、日本の草原にかかわる大きな節目の年であり、また、当ネットワークにとっても大きな飛躍の年となりました。
11月22日~24日には、熊本県阿蘇市において「第10回全国草原サミット・シンポジウム in 阿蘇」が開催されました。24都道府県より500名を超える(のべ800名)多数の参加のもと、また盛況のうちに終えることができました。最終日のサミット宣言では、草原の保全・再生、草原学習、農林畜産業の振興、草原を活用した地域活性化、自治体連携の全国組織の推進・充実、残したい日本の草原「草原100選」の制定に取り組むことが宣言されました。これまでのサミット宣言とは異なり、スローガンにとどまらずに具体的なミッションが提言されたことは 画期的なことです。
また、今回のサミット開催に際し、阿蘇市町村会のご協力のもと、日本全国の草原を有している自治体に対して「草原の現状及び課題把握に係るアンケート調査」を実施しました。日本各地に存在する草原の実態や保全管理上の問題点の把握が図られ、データベースの拡充・更新などへの活用が期待されます。
サミットの開催やアンケート調査を通じて、草原に関して自治体間でもかなり温度差があること、サミットのような場やネットワークが必要なことが 再認識されました。民間レベルでは、当ネットワークが情報交換や課題の共有に関してそれなりの役割を果たしてきましたが、行政の方でもそういうネットワークができることの重要性を改めて実感いたしました。
今後はこれらの宣言内容の実現や喫緊の問題の解決に向けて、当ネットワークの果たす役割が今まで以上に重要となってきます。このようなことを意識し、イベントの慌ただしさが一段落した本年は、じっくりと将来を見据えた活動をする時期と考えていますので、これまでと変わらぬご支援・ご鞭燵をお願いする次第です。
本年が皆様にとって希望に満ちた明るい年でありますことをご祈念し、新年のごあいさつといたします。
(高橋佳孝:全国草原再生ネットワーク会長)