休眠打破 :きゅうみんだは 生物の休眠状態が解かれること。草原の保全においては、種子がどのような状況下で休眠するのか、逆に種子の休眠状態を打破するための条件が何かを知ることが重要である。例えば、埋土種子の研究を進めることで、個体数が減少した植物群落再生の可能性を探ることができる。
茅すぐり :かやすぐり 採取した茅の束から、資材として重要な棹のみを選り分けるために、余分な葉や混ざりこんだ茅以外の植物を取り除き、採取した茅の束に交じる茅以外の植物を除き、茅の長さなどを揃える作業のこと。
改良草地 :かいりょうそうち 耕起、土壌改良、施肥、牧草の播種などを行い、生産力を高めた草地。外来のイネ科牧草はススキなどの在来草本に比べ生産力が高く、家畜の飼料としても高栄養価である、冬季も生産が可能な種類もある。一方で、生産力の維持のために、継続的な施肥や草刈りなどが必要である。また、牧草以外の植物はほとんど無く、生物は非常に単調である。
拡大造林 :かくだいぞうりん 昭和30~40年ごろに全国で展開された、スギ・ヒノキ等による造林を推進する国策。もともと森林であるところに用材林を植栽するためには、いったんそこに生育する樹木を伐採する必要があるが、草原にはそのまま植林が可能であることから、拡大造林により草原の植林地化が一斉に進んだ。草原が植林地化されやすかった理由として、丁度同時期に進められた入会権の解体も影響しているものと思われる。
攪乱 :かくらん 生態学においては、様々な圧力により、場の環境が荒らされることをいい、このことにより遷移の段階が停滞あるいは後退することがある。日本においてはほとんどの場所で、草原はおのずと森林へと遷移が進行していくため、草原が維持されるには何らかの撹乱要因が必要となる。多くの場合、火入れや草刈りなどの人為的撹乱により維持されている。