人工草地 :じんこうそうち 耕起、土壌改良、施肥、牧草の播種などを行い、生産力を高めた草地。主に外来のイネ科牧草が生産される。一般に、外来のイネ科牧草はススキなどの在来草本に比べ生産力が高く、家畜の飼料としても高栄養価であり、冬季も生産が可能な種類もある。一方で、生産力の維持のために、継続的な施肥や草刈りなどが必要である。また、牧草以外の植物はほとんど無く、生物は非常に単調である。
迅速測図 :じんそくそくず 明治期に作成された地図。フランス式の図法が採用され、日本で初めて近代的な手法で作成された地図。正確な平面図に土地利用が記されたもっとも古い地図であり、日本において草原が最も頻繁に利用されていた一時代の土地利用を復元することが可能な貴重な資料。関東地方の迅速測図は、独立行政法人農業環境技術研究所が構築した、歴史的農業環境閲覧システム上で公開され、インターネット上で閲覧が可能となっている(http://habs.dc.affrc.go.jp/index.html)。
水源かん養機能 :すいげんかんようきのう 地下水をかん養する機能のこと。植生が乏しい裸地においては、雨水は地表面を流れやすいため、この機能が損なわれてい+L97るが、森林や草原では植生に補足された雨水が地下に浸透する。草原と森林では、雨水を補足する能力は森林の方が高いとされるが、森林は蒸散が活発であるため、空気中に放出する水分量が多い。そのため、地下水をかん養する能力は、草原の方が高いことが明らかとなってきている。
自然草原 :しぜんそうげん 人為的な攪乱を伴わず、維持される草原。水分条件が悪い、気温が低い、風が強いなどの気象条件により成立する。降雨量の豊富な日本においては、ほとんどの地域で樹木の生育が可能であるため、自然草原は、高山や北海道など限られた地域にのみ分布する。