謹んで新春のお慶びを申し上げます。皆様におかれましては輝かしい新年をお迎えのことと存じます。昨年は、10月4日~5日に長野県小谷村において「第14回全国草原サミット・シンポジウムinおたり」が開催されました。前回の第13回東伊豆大会は新型コロナウィルス感染症の拡大のためリモート開催でしたが、今回は6年ぶりに参加者が一堂に会しての対面での開催となりました。全国21都道府県から、延べ170名の参加者が北信濃の里に集い、活気に満ちた大会でした。
今回は「茅場(かやば)」をテーマにした初めての大会として、茅刈りや茅葺き作業の体験など、個性豊かな内容となりました。また、開催県外からの自治体の参加数が過去最多であり、草原の維持・再生への課題意識が自治体レベルでも確実に浸透していることを実感しました。参加者は、雪国小谷村の「茅場の文化」や「カリヤス草原の生態」に触れ、語り合い、研鑽する楽しさを十分に満喫されたことと思います。
当ネットワークの会員も大勢の方が参加され、久しぶりに会員どうしで交流や情報交換を行い、工夫や悩みを分かち合う貴重な機会となりました。次回の草原サミットは2年後に大分県九重町で開催される予定です。くじゅう連山の麓でまた会員の皆様とお会いできることを楽しみにしております。
また、2021年から始まった「未来に残したい草原の里100選」事業も回を重ね、第三次募集において草原の里5箇所が新たに選定されました。本年度までの3年間で総計53箇所の草原の里が認定されています。改めまして、本事業に対する皆様のご支援・ご協力に厚くお礼を申し上げます。
新しいニュースとして、草原サミット小谷大会が開催された長野県では1月に「NPO法人信州草原再生」という新しい組織が発足します。これまでに関係者が培ってきた知見と経験、情報網や人のつながりを生かし、信州を中心に中部日本における草原の保全・再生の機運醸成と活動の強化・発展が達成されることを心より期待しています。
私ども全国草原再生ネットワークは、今後も地域の多様な活動団体と手を取り合い、全国草原サミットや草原の里100選をはじめ、様々な普及・広報活動を通じて、全国の仲間作りを全面的にバックアップしてゆく所存です。
今年の干支は「乙巳(きのと・み)」、十二支では「巳年(へびどし)」です。へびは弁財天の使いとされていますし、巳年は新しい挑戦や変化に対して前向きな姿勢を示す年とも言われます。これまでの努力や準備が実を結び、成長と結実の時期となれるよう、あせらず粘り強く取り組む姿勢を貫き、着実に前進していきたいと思います。
皆様には、これまでと変わらぬご支援・ご協力を賜りますようお願い申しあげるとともに、巳年が皆様にとりましてたくさんの福を呼び込む良い年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。
全国草原再生ネットワーク会長 高橋佳孝
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