草原用語

草原関連の用語を収集・整理し、検索できるようにしています。

スカイスポーツ :すかいすぽーつ

ハンググライダー、パラグライダー等の空中遊泳を楽しむスポーツのこと。この内、動力源を持たないスカイスポーツを行うためには、航空機により上空まで移動してそこから飛び降りるか、崖や開けた急傾斜などを利用して離陸する必要がある。急傾斜をもつ草原は、離陸のための滑走路として適していることから、スカイスポーツの基地として利用されているところがあり、細野高原(静岡県)などが知られている。

スキー場 :すきーじょう

スキーやスノーボードなどの、雪上を滑降するウィンタースポーツを行う場所。安全に滑降するためには樹林の無い開けた斜面地が必要であり、各地の入会地としての草原がその大規模開発用地の対象とされたことも多かったようである。

スコリア丘 :すこりあきゅう

火山活動による噴石がたまることで出来た丘のこと。スコリア丘が草原として利用されている例は全国に比較的多くみられ、鬼岳(長崎県)、米塚(熊本県)、神鍋山(兵庫県)、大室山(静岡県)など多数ある。

生物多様性 :せいぶつたようせい

背負い式消火水のう :せおいしきしょうかすいのう

消防車などが入れない急傾斜地や林野において用いる背負式の噴霧器。一度に20リットルほどの水を携帯することができる。

世界農業遺産 :せかいのうぎょういさん

2002年、食料の安定確保を目指す国際組織「国際連合食糧農業機関」(FAO)によって開始されたプロジェクト。後世に残すべき生物多様性を保全している農業上の土地利用方式や景観を登録している。日本では、平成25年に「静岡の茶草場」「阿蘇の草原の維持と持続的農業」の2地域が、草原に関係する世界農業遺産として認定された。

石塁 :せきるい

石を積み上げ、牧野の境界を示したもの。高く積まれるため、放牧される牛馬が乗り越えることを防ぐ。また、猪垣(シシガキ)など獣害を防止するための垣根としても作られた。

遷移 :せんい

生態学においては、時間の経過に伴って、生育・生息する生物種が移り変わっていくこと。撹乱の無い環境においては、裸地から草原、草原から樹林といったように、より発達した環境へと移り変わっていく。

千年の草原 :せんねんのそうげん

阿蘇地方の草原は、平安時代中期に編纂された延喜式に記録があることから、少なくとも千年以上、草原として存在することがわかっており、このことを受けて千年の草原と呼ばれる。
なお近年の研究から、様々な科学的分析により、阿蘇の草原は1万年前から存在することが明らかとなっている。

草原 :そうげん

高い木がなく、草本植物が優占する土地のこと。

総事 :そうごと

集落で行われている協働作業のこと。

草地 :そうち、くさち

草原が成立している土地の意味で、主として、人が利用している草原のことを指す場合が多い。農地や林地、宅地などの用語に対応する言葉で、土地利用の意味が含まれる。

人為的攪乱 :じんいてきかくらん

草刈りや放牧などの人為的な行為によって起こる攪乱。

草地改良 :そうちかいりょう

草原を畜産の利用に適したものとするために、地形改変や施肥、牧草の播種などにより、その生産力を改良すること。

人工草地 :じんこうそうち

耕起、土壌改良、施肥、牧草の播種などを行い、生産力を高めた草地。主に外来のイネ科牧草が生産される。一般に、外来のイネ科牧草はススキなどの在来草本に比べ生産力が高く、家畜の飼料としても高栄養価であり、冬季も生産が可能な種類もある。一方で、生産力の維持のために、継続的な施肥や草刈りなどが必要である。また、牧草以外の植物はほとんど無く、生物は非常に単調である。

 :そく

茅の単位の一つ。ひとたば。人が抱え込める量程度の茅束が一束。おおむね3把程度を寄せて一束となるが、その単位の換算は茅の種類や各地域、生産地における生育条件によって異なるようである。

迅速測図 :じんそくそくず

明治期に作成された地図。フランス式の図法が採用され、日本で初めて近代的な手法で作成された地図。正確な平面図に土地利用が記されたもっとも古い地図であり、日本において草原が最も頻繁に利用されていた一時代の土地利用を復元することが可能な貴重な資料。関東地方の迅速測図は、独立行政法人農業環境技術研究所が構築した、歴史的農業環境閲覧システム上で公開され、インターネット上で閲覧が可能となっている(http://habs.dc.affrc.go.jp/index.html)。

水源かん養機能 :すいげんかんようきのう

地下水をかん養する機能のこと。植生が乏しい裸地においては、雨水は地表面を流れやすいため、この機能が損なわれてい+L97るが、森林や草原では植生に補足された雨水が地下に浸透する。草原と森林では、雨水を補足する能力は森林の方が高いとされるが、森林は蒸散が活発であるため、空気中に放出する水分量が多い。そのため、地下水をかん養する能力は、草原の方が高いことが明らかとなってきている。

自然再生推進法 :しぜんさいせいすいしんほう

過去に損なわれた生態系その他の自然環境を取り戻すことを目的とした法律。平成15年1月1日より施行。

自然草原 :しぜんそうげん

人為的な攪乱を伴わず、維持される草原。水分条件が悪い、気温が低い、風が強いなどの気象条件により成立する。降雨量の豊富な日本においては、ほとんどの地域で樹木の生育が可能であるため、自然草原は、高山や北海道など限られた地域にのみ分布する。