草原用語

草原関連の用語を収集・整理し、検索できるようにしています。

鹿害 :しかがい

鹿が植物の葉や花、芽などを食べることによって起こる被害。近年、森林では林床の植物に被害が頻発しているが、草原においても花や花芽が食べられる被害が各地で顕在化してきている。

ジェットシューター :じぇっとしゅーたー

消防車などが入れない急傾斜地や林野において用いる背負式の噴霧器。一度に20リットルほどの水を携帯することができる。なお、ジェットシューターは芦森工業株式会社から販売されている商品の名称で、一般名称は「背負い式消火水のう」である。同商品が広く流通していることから、一般的な名称として使われることが多い。他、アキレス株式会社から販売されているファイアーハンターがある。

使役牛 :しえきぎゅう

代掻きや運搬などの労働に従事する牛馬。

刺し子 :さしこ

主に作業着などの布地をすり切れにくくするために施した刺繍のこと。装飾的な幾何学模様をあらわすこともある。江戸時代の火消しが着た半纏は、布地に等間隔の刺し子がされ、染め抜きで文様が描かれている。これに水を含ませて着用することで現代でいう難燃性作業服の役目をしていた。

差し茅 :さしがや

茅葺きの傷んだ箇所に新しい茅を差し込んで補修すること。また、補修のために差し込む茅のこと。

サイレージ :さいれーじ

サイロ(農作物、穀物、飼料などを格納する倉庫のこと)で発酵させた飼料のこと。

採草放牧地 :さいそうほうぼくち

採草地と放牧地をあわせて示す時の言い方。

採草地 :さいそうち

越冬飼料となる草を採取するための草地のこと。野草の採草地では、ススキやネザサなどのイネ科草本が主な資源として採取される。また、年に数回の採取が行われるため、優占種であるススキなどのイネ科草本は草丈・密度が低くなりやすく、植物種の多様性が豊かになりやすい。盆花の採取地としても利用される。一方、茅場は茅が枯れ上がった晩秋~冬季にかけて年に1度の採取にとどまることから、ススキなどの優占種が繁茂しやすく、比較的植物相は単調になりやすい。

採草権 :さいそうけん

採草する権利のこと。草資源はかつての暮らしの中で非常に重要であったことから、採草する権利を巡っては多くの争いがあった。

採草 :さいそう

家畜の飼料や堆肥にするために草を刈り取ること。

コモンズ :こもんず

共有で利用する土地、または制度のこと。日本における入会に近いとされるが、日本における入会権は、特定の集落や組合などに権利が属しており、遊牧民族などが利用する土地など所有権の無い土地を意味するコモンズとは、ややニュアンスが異なるともされる。法則として、経済学用語である「コモンズの悲劇」が有名。

小まるき :こまるき

茅葺きにおいて、茅の束を束ね直すこと。

国立公園・国定公園・都道府県立自然公園 :こくりつこうえん・こくていこうえん・とどうふけんりつしぜんこうえん

日本においては、自然公園法により、優れた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図ることにより、国民の保健、休養及び教化に資するとともに、生物の多様性の確保に寄与するために指定された自然公園のこと。阿蘇や秋吉台を始め、草原景観を含む公園が、全国で多数指定されており、優れた自然の風景地としての草原の価値が高められている。

穀物肥育牛肉 :こくもつひいくぎゅうにく

コエグロ :こえぐろ

刈り取った草を、保管を目的として小高く積み上げたもの。草グロや、単にグロとも呼ぶ。主に四国地方の方言。

ごうだて金 :ごうだてきん

労働力となる若い男子が出稼ぎ等のため居ない家など、やむを得ず義務づけられた公役を果たせない場合に、その対価として支払うお金のこと。

高層湿原 :こうそうしつげん

ミズゴケが泥炭となり積み重なって盛り上がり、その上に湿地環境が成立している湿原。高山地帯や高緯度地域などの低温環境に多い。地下水による水供給が無いことから、貧栄養な湿原となる。盛り上がった場所にあるという意味で高層湿原と呼ばれ、対して地下水の影響を受けるような湿原は低層湿原や中間湿原と呼ばれる。

恒久防火帯 :こうきゅうぼうかたい

防火帯をコンクリートなどで舗装し、作業道や周遊路にすると同時に、恒久的に可燃物となる植物が生えてこないようにしたもの。

公益的機能 :こうえきてききのう

土砂災害防止といった国土保全機能の他、水源かん養機能、生物多様性の保全など、人々が暮らしていく中で必要な機能のことを指し、森林や農地、草原が本来持つ生産機能とは別に我々が受ける様々な恩恵のこと。

原野 :げんや

耕作の方法によらないで雑草、灌木類の生育する土地。日本では、土地利用の地目の一つとして用いることが多い。