草原用語

草原関連の用語を収集・整理し、検索できるようにしています。

輪地 :わち

火入れの際、周囲への延焼を防止するため、あらかじめ草を刈り取り除去し可燃物を取り去った帯状のエリアのこと。通常は幅5m〜10m程度。主に阿蘇地域で使われている言葉。

輪地切り :わちぎり

輪地(防火帯)を作ること。阿蘇地域に独特の言葉。

輪地焼き :わちやき

輪地切りの後、その部分に新芽が出ないよう、刈り取った草に火をつけて焼き払うこと。周りの草が枯れてから行うと延焼しやすいため、まだ草が青い初秋までに行うことが多い。阿蘇地域に独特の言葉。

林野火災防ぎょ訓練 :りんやかさいぼうぎょくんれん

地域の消防団などが林野火災を想定して行う訓練のこと。草原のある自治会では、春先に行う火入れが林野火災防ぎょ訓練を兼ねることがある。

本火 :ほんび

尾根側から谷に向かって下るように少しずつ火を入れていった後、斜面下方から火をつけて一気に斜面を焼き上げる際の強い火のこと。火消し棒などでは消火できないほど強い火であり、最後は火と火をぶつけあうことで消火する。

迎え火 :むかえび

火入れ時に、燃えていってはいけない方向に火が進んでいる際、逆の方向から点火する火のこと。迎え火を打つ、などという。本火が入ったあとは、火消し棒やジェットシューターでの消火はできないため、火と火をぶつけあうことで消火する手法がとられる。火は燃料がないと燃え進むことはないので、火がぶつかりあうことにより消火ができる。
経験に基づき、ある程度計画的に点火される迎え火もあれば、延焼を拡大させないため緊急の対処として点火される迎え火もある。いずれにせよ、地形や風向きによって火のまわり方は異なるため、本火、迎え火の点火には、その地における多くの火入れの経験に基づいた知識や技術が必要である。

モーモー輪地切り :もーもーわちぎり

輪地(防火帯)を人の手で作る膨大な労力を軽減するために考案された手法で、輪地にする部分に牛を放ち草を食べさせることで可燃物を除去する。

屋根鋏 :やねばさみ

茅葺きの形を整えるために使われる鋏のこと。

山口型放牧 :やまぐちがたほうぼく

山口県で昭和60年代から始められた放牧様式。耕作放棄地を放牧地として活用することで、家畜の飼育コストを下げると共に、耕作放棄地の環境・景観管理を労力をかけずに行うことを目指した手法。家畜頭数に適した耕作放棄地の面積や家畜の訓練などの研究が行われている。

山焼き :やまやき

主に冬から春にかけて行われる、草原に火を放って地上部を焼き払う行為。植生の遷移(森林化)を断ち切り、人為的に草原の状態に留める役割がある。これにより健やかな芽吹きを促すとも、畜産に有害なダニを駆除するとも言われている。類語の「火入れ」に比べ、山体全体が草地である場合にその山全体を焼く行為を指すことが多い。大室山焼き(静岡県)、若草山焼き(奈良県)、秋吉台の山焼き(山口県)など。

ボッチ :ぼっち

茅を束ねて立ておいたもの。主に北関東地方の方言。

ボランティア :ぼらんてぃあ

一般的に、自主的に無償で社会活動などに参加し、奉仕活動をする人のこと。草原再生の活動においては、防火帯づくりや火入れ作業に従事する人員の不足や高齢化が進んでおり、ボランティアの重要性が各地で増してきている。阿蘇では例年、延べ2,000人以上のボランティアが草原の維持管理活動に参加している。また、草原の公益的機能について理解を得るためには、草原でのガイド活動なども重要であり、このような活動にボランティアが活躍している地域も多い。

火付け :ひつけ

火入れ時に、火付け棒を使って点火していく作業のこと。また、その役割の人のこと。

火付け棒 :ひつけぼう

火入れ時に点火するための棒状の道具で、多くの場合、長い竹の先に綿布などを巻いて油をしみ込ませておき、そこに火をつけて使う。

火引き :ひびき

火入れ時に、火付け棒などを使って点火していく作業のこと。また、その役割の人のこと。

火ぼて :ひぼて

火消し棒のこと。

火道 :ひみち

火入れの際、周囲への延焼を防止するため、あらかじめ草を刈り取り除去し可燃物を取り去った帯状のエリアのこと。通常は幅5m〜10m程度。火道という言葉は、主に秋吉台地方で使われている。

火道切り :ひみちきり

火道(防火帯)を作ること。秋吉台地方に独特の言葉。

防火帯 :ぼうかたい

火入れの際、周囲への延焼を防止するため、あらかじめ草を刈取り除去し可燃物を取り去った帯状のエリアのこと。通常は幅5m〜10m程度。

ひぞり火 :ひぞりび